B君が退職した後、会社はしばらく重たい空気に包まれていました。
私はAさんとも話をしました。
誰かを責めることよりも、二度と同じことを起こさない会社にすることが大切だと思ったからです。
仕事は相変わらず順調でした。
加工の仕事も、お客様からいただくロボットプログラムの仕事も続いていました。
しかし、人手不足だけはすぐには解決できませんでした。
そこで、検査を担当していただくパートさんに来てもらうことになりました。
加工の経験はありませんでしたが、とても真面目で、一つひとつの仕事を丁寧に覚えてくれる方でした。

最初は検査だけをお願いしていました。
そのおかげで、私たちは加工に集中できるようになり、少しずつ会社にも以前のような活気が戻ってきました。
気が付けば2〜3年が過ぎていました。
会社の仕事も安定し、私は再びロボットプログラムや設備立ち上げの仕事で全国へ出張するようになりました。
加工の仕事をいただいているお客様からのご依頼でもあり、「できません」と断ることはできませんでした。
工場ではAさんが加工を担当し、パートさんが検査を担当する。
ようやく、それぞれの役割が形になり始めていました。
私は、「会社もようやく落ち着いてきた」と感じていました。
しかし、その穏やかな時間は、長くは続きませんでした。
長年会社を支えてくれていたAさんの人生に、大きな出来事が起こります。
そして、その出来事が、再び会社を大きく揺るがすことになるのです。

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