第27話では、20数年ぶりに再開した釣りの話を書きました。今回は、もう一つの趣味であるバイクと、そこから始めた貸しガレージの話です。
もともと、ガレージを造るために土地を買ったわけではありません。会社の工場を建てるつもりで手に入れた土地でした。
ところが、そこは工場を建てられないエリアでした。別の使い方を考える中で思いついたのが、趣味も楽しめて、収益にもなる貸しガレージです。
バイクに憧れていたのは、小学生の頃から
小学生の頃から、バイクに興味がありました。
当時は、中に雑誌の切り抜きを入れられる下敷きがありました。私はそこに好きなバイクの写真を挟んで、「いつかはこのバイクに乗りたいな」と思いながら眺めていました。
でも、実際に免許を取ったのは25歳の時です。当時付き合っていた妻には、
「バイクの免許取って何するの?」
と言われました。
私は、年を取ってから乗りたいから、若いうちに取っておいた方がいいじゃん、と答えました。
そう言ったものの、しばらくは全く乗りませんでした。最初のバイクを買ったのは2021年です。コロナで仕事が減り、時間に余裕ができたことがきっかけでした。
工場を建てられず、土地の使い方を考え直した
ガレージの土地は、知り合いから個人売買で譲ってもらいました。会社の工場を造るつもりでしたが、工場を建てられないことが分かり、ほかの運用方法を考えることになりました。
どうせなら、自分の趣味にもなって、収益もあるものを造りたい。
ちょうどバイクを買っていたこともあり、貸しガレージを思いつきました。
自分も楽しめるし、車やバイクが好きな人に使ってもらえる。そう考えて、新築でガレージを造ることにしました。
融資は、なかなか話が進まなかった
建物を造るには資金が必要なので、銀行に融資をお願いしました。
ただ、貸しガレージは実例がないと言われ、なかなか受けてもらえませんでした。個人事業として始めることもあり、融資の相談は難しかったです。
最終的には、会社のメインバンクに頼み込みました。
半分は銀行のプロパー融資、半分は信用保証協会の保証付き融資という形で、ようやく話がまとまりました。個人で借りた際の保証料も高く感じました。
趣味から思いついた事業ですが、建物を造るまでには、こうした苦労もありました。
保管するだけでなく、長く過ごせる場所にしたかった
ガレージを造る時には、自分が使うなら何が欲しいかを考えました。
契約者が無料で使える、リフト付きのメンテナンスルーム。洗車ができる場所。そして、一日中いられるようにトイレも付けました。
車庫の中も広く、ゆったり使えるようにしています。バイクなら2台入れられます。雰囲気にもこだわり、高級感が出るように造りました。
車もバイクも大切に保管できるよう、各部屋で個別にセキュリティーをかけられるようにもしています。
ただ置いて帰るだけでなく、整備をしたり、好きな車やバイクのそばで過ごしたりできる場所にしたかったのです。

いろいろな方法で募集したが、すぐには契約が増えなかった
貸し方は月極です。
不動産屋さんの賃貸サイトに掲載し、インスタグラムやホームページも使いました。YouTube広告、LINE広告、Google広告と、いろいろ試しました。
広告費にも、けっこうお金がかかりました。それでも、すぐに契約が増えたわけではありません。
ガレージのパンフレットも作り、知り合いのお店やバイク屋さんに置かせてもらいました。ツーリングで人が集まっているところへ直接行き、手渡ししたこともあります。
バイク屋さんにパンフレットを置かせてもらいに行って、そのまま1台買ってしまったこともあります。買い物をした方がお願いもしやすいし、覚えてもらえるかな、という気持ちもありました。
でも、なかなか効果は出ませんでした。銀行から「失敗事業ですね」と言われたこともあります。
最初に契約してくださったのは、旧車の車を入れる方でした。
「エアコンを付けられる車庫を探していたんです」
と話されていたのが印象に残っています。
バイク用のガレージは、当初、月額2万5千円にしていました。契約者が少なかったので1万5千円に変えると、急に契約が増えました。
設備をそろえて広告を出せば借りてもらえる、というものでもありません。価格設定も難しいなと思いました。
空きがあっても、事業での利用は断った
車のポリマーコーティング事業に使いたい、という相談を受けたこともあります。
当時は利用者が少なかったので、迷いました。
ただ、事業として使うとなると、不特定多数のお客様が敷地内に出入りします。各部屋に個別のセキュリティーはありますが、防犯面が心配でした。
そのため、お断りしました。今になると、断って正解だったと思っています。
借りてもらうことも大事ですが、ほかの利用者の車やバイクを保管する場所でもあります。敷地をどう使ってもらうかは、考えておく必要がありました。
今は収益が出て、管理も任せられている
最初は契約が少なく苦労しましたが、今は収益にも満足しています。
2026年8月時点の計算では、年間家賃収入から固定資産税、管理費、保険料、修繕のための積立を差し引き、総工費で割った利回りは約10%でした。ローン返済や所得税などを差し引く前の数字です。
管理は不動産屋さんにお願いしています。私がしているのは、週に1回のトイレ掃除です。
皆さんきれいに使ってくださっているので、その点も助かっています。
自分にとっても、楽しい空間になった
今のガレージは、私にとって、とても楽しい空間です。自分のバイクも増えました。
毎週、ご夫婦で来られる方もいます。旦那さんは車をいじり、奥様は椅子に座って携帯を見ている。そんな風景を見るのもいいですね。
週末に、お二人でバイクのツーリングに出かけるご夫婦もいます。

もともとは、工場を建てられなかった土地の使い方を考えて始めたガレージでした。融資も集客も、思ったようには進みませんでしたが、今は自分の趣味を楽しむ場所になり、収益にもつながっています。
小学生の頃、下敷きの中のバイクを眺めていた時には、こんな場所を造るとは思っていませんでした。

コメント