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第21話|町工場にとって良いお客様とは?|16年付き合って分かったこと

第20話では、

仕事を断ることも、会社を守る仕事。

という話を書きました。

では逆に、

「長く付き合いたいお客様とは、どんな会社なのか。」

今回は、そのことを書いてみたいと思います。

町工場を16年近くやっていると、

いろいろなお客様と付き合います。

単価が高い会社。

仕事量が多い会社。

納期が厳しい会社。

担当者が話しやすい会社。

独立したばかりの頃の私は、

「仕事をくれる会社=良いお客様」

くらいに考えていたと思います。

仕事がなかったので、

まず仕事をもらえることが一番大事でした。

でも、

長く経営していると、

それだけではないと分かってきました。


目次

単価が高ければ、それだけで良いお客様ではない

もちろん、

価格は大事です。

安すぎる仕事では、

会社は続きません。

でも、

単価が高ければ、

それだけで良いお客様かというと、

私はそうは思いません。

今の私は、

価格と納期。

そして、

その会社と長く付き合えるか。

そこまで見ます。

たとえば、

普段から適正な価格で仕事を出してくれる会社から、

「今回は少し協力してほしい。」

と言われたら、

こちらも、

「いつも仕事をもらっているから、今回は協力しよう。」

と思えます。

毎回安くしてほしいと言われるのと、

普段は適正価格で、

たまに協力をお願いされるのとでは、

まったく違います。


困った時に、お互いに協力できる会社

製造業では、

すべてが図面通り、

予定通りに進むとは限りません。

図面や仕様が曖昧なまま仕事が進み、

加工してから問題が分かることもあります。

そんな時、

一方的に、

「加工屋が悪い。」

で終わる会社もあれば、

一緒に原因を調べて、

必要なら図面を変更し、

解決方法を考えてくれる会社もあります。

私は、

後者の会社と長く付き合いたいです。

問題が起きないことより、

問題が起きた時に、一緒に解決できること。

こちらの方が大事だと思います。


「外注だから」と下に見ない会社

加工屋は、

お客様から仕事をもらう立場です。

だからといって、

何を言われても従わなければならないとは思いません。

私が長く付き合いたいのは、

外注先であっても、対等に近い気持ちで接してくれる会社

です。

もちろん、

仕事を出す側と、

受ける側。

立場は違います。

でも、

「俺はお客だ。仕事を出しているんだから言うことを聞け。」

というような関係は、

私は長く続けられません。

経験上、

そういう会社から、

ものすごく利益の出る仕事が来ることも、

あまりありませんでした。


約束した金額と支払いを守ってくれる

これも当たり前のようですが、

とても大事です。

仕事をする。

納品する。

決められた金額を、

決められた日に支払ってもらう。

普通のことです。

でも昔は、

約束手形もありました。

手形が落ちるまでは、

ひやひやしたこともあります。

決まった入金日にお金が入らない。

「少し支払いを遅らせてほしい。」

と連絡が来る。

約束の日に入金がなく、

電話をしても担当者につないでもらえない。

そんな経験もありました。

どれだけ仕事量が多くても、

支払いのたびに心配しなければならない会社とは、

安心して付き合えません。

約束した金額で注文して、約束通り支払う。

これも良いお客様の大事な条件だと思います。


新しいお客様では、担当者の人柄も見る

今、

新しい会社から仕事の話が来たら、

まず図面をもらいます。

そして見積もりを出して、

お互いに価格を確認してから進めます。

でも、

私は価格だけを見ているわけではありません。

担当者の人柄も見ます。

最初の打ち合わせから、

「もっと安く。」

「いくらまで下がる。」

と、

価格の話しかしない会社は少し注意します。

価格はもちろん大事です。

でも仕事を続ければ、

納期の相談もあります。

図面の相談もあります。

トラブルが起きることもあります。

だから、

「この人とはちゃんと仕事の話ができそうだな。」

と思えることも、

私にとっては大事です。


私が思う「良いお客様」

16年近くやってきて、

「良いお客様とは?」

と聞かれたら、

私は、

こんな会社だと思います。

困った時には、お互いに協力できる。

加工屋だからと下に見ず、対等に近い気持ちで接してくれる。

約束した金額で注文してくれる。

この3つは、

かなり大事です。

毎回、

こちらの希望が通る必要はありません。

こちらだって、

無理をお願いすることがあります。

「この納期を少し延ばしてほしい。」

「図面を少し変更してほしい。」

そんな時、

お客様が協力してくれる。

逆に、

お客様が困っている時には、

こちらもできる限り協力する。

私は、

そういう関係が長く続く関係

だと思っています。


「仕事をくれる会社」から「一緒に仕事をする会社」へ

独立したばかりの頃は、

仕事をもらえるだけでありがたかったです。

お客様を選ぶなんて、

考えられませんでした。

でも、

会社を続ける中で、

少しずつ考え方が変わりました。

今は、

「仕事をくれる会社」

というより、

「一緒に仕事をする会社」

という感覚に近いです。

仕事を出す側。

仕事を受ける側。

立場は違います。

でも、

どちらか一方だけが得をする関係では、

長く続かないと思います。

お互いに利益が出る。

困った時には協力する。

約束したことは守る。

そんな会社と、

これからも長く仕事をしていきたいと思っています。


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