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第22話|売上の9割が一社だった|大きなお客様に頼りすぎて分かったこと

町工場をやっていると、

「大きなお客様が一社あれば安心だ。」

と思うことがあります。

毎月仕事が来る。

営業しなくても注文が入る。

価格も悪くない。

私の会社も、一番依存度が高かった時には、

一社で売上の約9割

を占めていました。

売上の多くを一社が占めることは、仕事があるうちは安心に見えます。でも、その一社の仕事が止まった時の影響も大きくなります。

しかも、そのお客様は決して悪い会社ではありません。

価格にも問題はなく、

納期についても、こちらの事情を考えて可能な限り延ばしてくれます。

それでも今は、

「一社に頼りすぎるのは怖い。」

と思っています。


目次

なぜ売上の9割まで一社に頼るようになったのか

最初から、一社に依存しようと思っていたわけではありません。

理由は単純でした。

営業しなくても仕事が来たからです。

しかも短納期の仕事が多く、

来た仕事をこなすだけで忙しくなりました。

そのため、ほかのお客様の仕事を入れる余裕もありませんでした。

仕事が来る。

忙しくなる。

営業しなくなる。

さらにそのお客様の仕事が増える。

気づけば、

売上のほとんどを一社に頼るようになっていました。

当時は、

仕事がたくさんあることの方がありがたかった。

一社依存になっているという危機感は、

今ほど強くなかったと思います。


実際に、そのお客様の仕事が止まった

その後、

実際に仕事が止まったことがありました。

完全にゼロになったわけではありません。

仕事が来る。

途切れる。

また来る。

そしてまた途切れる。

そんな状態を繰り返しました。

当然、売上は下がります。

当時は私を含めて3人でした。

今より固定費も少なかったので、

無理に安い仕事を探すことはせず、

メインのお客様から仕事が戻ってくるのを待ちました。

運が良かったのか、

その時に新しいまとまった仕事が入ったこともあり、

何とか乗り切ることができました。


今、同じことが起きたら怖い

当時は3人でした。

でも、

現在は7人います。

人が増えれば、

毎月必要なお金も増えます。

だから今、

メインのお客様の仕事が完全に止まれば、

会社にとってかなり大きな問題になります。

一社から仕事がたくさん来ることは、

本当にありがたいことです。

でも、

その一社の仕事量で、自分の会社の売上が大きく変わる。

これが、

一社依存の怖さだと思います。

良いお客様との関係を大切にしながら、少しずつ次のお客様も増やしていく。その準備が必要だと感じています。

良い時こそ、悪くなった時の準備をする

会社経営は、

良い時もあれば、

悪い時もあります。

ずっと同じ売上が続くとは限りません。

仕事が減った時も、

私は給料だけではなく、

賞与もきちんと払いました。

その経験から思うのは、

良い時に調子に乗らないこと。

仕事が多い時ほど、

「この状態がずっと続くとは限らない。」

と考えておく。

悪くなった時のために、

準備しておく。

会社を続けるには、

それが大事だと思っています。


一社依存を減らすのも簡単ではない

今は、

少しずつ新しいお客様を増やしたいと思っています。

知り合いに声をかけたりしながら、

新しい仕事を探しています。

ただ、

何でも取ればいいとは思っていません。

価格が合わない会社もあります。

こちらから仕事をお願いしておいて、

実際に依頼が来たら、

「その価格ではできません。」

と簡単に断るのも難しいです。

だから、

一社依存を減らしたいからといって、安い仕事を増やせばいいわけではありません。

新しいお客様を増やすことも、

慎重に進める必要があると思っています。


一社の売上は、できれば5割以下にしたい

もし、

「一社の売上は何割くらいまでがいいですか?」

と聞かれたら、

私なら、

できれば5割以下

と答えると思います。

ただ、

現実には簡単ではありません。

良いお客様から、

「この仕事もお願いします。」

と言われれば、

なかなか断れません。

その仕事を断ってまで、

売上比率を下げるのも違うと思います。

だから、

5割以下が理想だと思っていても、実際には難しい。

これが、

町工場をやってきた私の感覚です。


大きなお客様がいる=安心、ではなかった

売上の9割を占めるお客様がいる。

仕事が来ている間は、

とてもありがたいことです。

でも、

その仕事が止まれば、

9割という数字が、そのまま会社に返ってきます。

私は実際に仕事が途切れる経験をして、

一社依存の怖さを感じました。

だから今は、

今のお客様との関係を大事にしながら、

少しずつほかのお客様も増やそうとしています。

一社依存を完全になくすのは、

簡単ではありません。

それでも、

仕事が順調な時こそ、次のことを考えておく。

良い時に、悪くなった時の準備をしておく。

これも、

会社を長く続けるために必要なことだと思っています。


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